ぺんぎんシナリオ「復讐の館(地下室、戦闘)」


ぺんぎんです。シナリオの続き、戦闘フェイズに入る部分を載せていきます。


<地下室>
地下室へ続く扉の鍵を開けると、下へと続く階段が見えた。
その階段は幅が狭い上に辺りを照らす明かりが無いため、用心しないと転びそうだ。
探索者達は《DEX×5》ロール。 失敗すると階段を踏み外して転落、1d6のダメージ。
携帯のライト機能は圏外でも使えるため、それを用いて辺りを照らす事を考えた探索者がいたら、その人物は問題なく降りられた事にする。

地下室に辿り着き、照明ボタンを押すことで、全体が明るくなる。
そこにはビリヤード台などがあるが、今はそれに興じる余裕などない。
 ・ビリヤードの球を突くのに使うキューは武器代わりに使っても良いだろう。
しかし、地下室を探しても、四谷はおろか、竹野の姿も見当たらない。
 ・ここで《聞き耳》→四谷の叫び声が聞こえる。
叫び声を基に更に探すと奥へ続く扉が見つかるが、ノブに血がべっとりと付いている。

扉を開けると、鉄の錆びた臭いと同時に、探索者達は異常な光景に出くわす。
…そこには体長69フィートはある、ガマガエルに良く似た灰白色の怪物が居た。
その身体はひどくぬるぬるしており、その顔には目が無い。 鼻に当たる部分にはピンクの触手が幾つもうねうねと蠢いており、その手には長く鋭い銀色の槍を持っていた。
その槍は四谷の身体を貫かんとするが、彼は悲鳴を上げてそれから逃げ回っている。
また、この部屋の床の所々が赤黒く染まっており、身体をばらばらにされ、苦悶の表情を浮かべながら息絶えた人間の死体や、その肉片が散らばっていた。

部屋の非現実的な惨状を目撃し、なおかつ「月の怪物」を目撃した探索者は1d2/1d8SANチェック。
狂気に陥ったら、床の人肉を食べさせる/四谷を襲おうとすると面白いだろう。
四谷を助けようと駆け寄ろうとすると、怪物の槍によって邪魔される。
「…復讐の邪魔をしないでもらおうか」
声がしたのでその方向を振り返ると、そこには竹野がいた。

「僕がこいつへの復讐を計画している間、過去の話や事件の事、調べてくれたみたいだね。
 そう、僕は田野健次。 …でも、神様に助けられたあの時、その名前は捨てたよ。
 僕は過去を捨てて、新しく生まれ変わる。 そのために、復讐を果たすんだ」

・竹野(田野)に《心理学》→(成功失敗問わず)四谷への憎悪や殺意に満ち溢れている。
もし、成功値の半分以下の数字で成功している場合、調査で自分の過去を知られたことを察し、探索者たちの事を「自分の弱みを握っている、四谷とは別の邪魔者」とみなし、同じく抹殺対象にしようとしていることが分かる。

「僕の邪魔をするのなら、君達にも神様のオモチャとなって貰うよ?
 あいつらは皆、この神様に罰を下された。 後は、僕の身体を壊したこいつだけだ。
 止められるなら止めてみなよ。 どうせ、無理だろうけどね」
田野は敵意に満ちた目をこちらに向けて、鋭く言い放った。
「さあ、最後の復讐劇を始めようか」



<戦闘>
四谷を助けず見殺しにするなら、→エンドB
竹野の復讐を止めさせるなら、戦闘フェイズに入る。

「月の怪物」の個体数は12体とする。 PLが熟練揃いならそれ以上にしても良い。
怪物は基本的には、自分が持つ槍(命中率25%1d10+1+1d6)で四谷に拷問を行うが、探索者達に同じように攻撃させても何ら問題ない。
当然、槍以外にも、他の拷問器具を使って攻撃することだって全く問題ない。
なお、怪物は人間達の行動を観察しており、終わった後(一番最後)に攻撃する。

四谷は<竹野(田野)の襲撃>で連れ去られてからこのフェイズに入るまでの間、ずっと「月の怪物」による拷問を受け続けているため、体力が15分ごとに1d2ずつ減少している。
そのため、それまでの時間が長ければ、その分だけ四谷を殺される可能性が高くなる。

怪物を殺すなりして四谷を一旦自由にさせると戦闘に協力してくれるが、丸腰なので何か武器を持たせる必要がある上に、攻撃スキルは全て初期値である点に注意。

物置から救急箱を持って来ていた場合は、それを使って応急手当をしてくれるだろう。



竹野は、四谷を助けようとする探索者達を「敵たる四谷の味方をする存在=敵」と見なしており、なおかつ自分の犯した犯罪の事を知った人物でもいるため、あらゆる手を使って攻撃しにかかる。
もちろん、探索者だけでなく四谷にも攻撃する。 自分にとっての復讐対象なのだから。

先述の《心理学》にもし成功していた場合、《精神分析》を振る事が出来る。
《精神分析》では、竹野は、神との邂逅、それによる下半身不随の完治、月の怪物との接触、同級生を立て続けに(怪物の力を借りたとはいえ)殺害していくといった、普通ではない行動をとり続けて正気を失っており、「復讐を完遂させなければならない、そのためには邪魔が入ってもそれを排除することも厭わない」という考えに陥っている事が分かる。

基本的には、先述の理由で竹野は「虐めっ子を庇うなんて人として屑、最低」「虐めっ子は周りの人間の未来を奪う害悪の塊だ」等と反論し、探索者の言う事を決して聞こうとしない。
そのため、《説得》や《言いくるめ》も基本的には自動失敗になるが、チグリジアの花言葉「私を助けて」が竹野の本心の一部ではないかと言う事に気が付いた上で、歩み寄るような言い方をした場合、半分の技能値を振ることができる。

竹野を殺すと最悪の場合、社会的なキャラロストを喰らうことになる。
もし探索者が四谷に対し竹野に謝罪させ、且つそれが成功した場合、そこで戦闘は終了となる。


クリア条件は以下の通り。
・「月の怪物」を倒して四谷を助け出し、そのまま脱出する→エンドA
・竹野に「記憶喪失薬」のスプレーをかける→エンドC
・戦闘中に四谷が死ぬ→エンドB、竹野が死ぬ→エンドA(少し改変)

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