ぺんぎんシナリオ「復讐の館(四谷の告白、襲撃された四谷)」


ぺんぎんです。シナリオの起承転結で言う「転」に入ります。


<四谷の告白>
日記を読み終わった後、全員が《アイデア》を振る。
成功で、アナグラムとは、文字を並べ替えて別の文字を作る遊びである事を思い出す。
更に《アイデア》成功で、「たけのじん(竹野仁)」の文字を並べ替えると、「たのけんじ(田野健次)」になる事に気付く。

竹野の正体が、アルバムに名前があった田野である事に気付くと、四谷の顔が青ざめる。
(正確には、写真や日記などから、四谷は竹野の正体に気付き始めるが、その予想が正しいと理解する。)
そして、俯きながらも、自分の過去をポツリポツリと語り出す。

***
僕は中学生の時、田野君を虐めていたメンバーの1人だった。
彼は小学生だった時に事故で両親を亡くしていたし、この頃の僕らは親に対して反抗期で、常にいらいらしている状態でもあった。
それで当時の僕らには「虐めがいのある奴」に見えていたんだと、今考えるとそう思う。

その頃の僕達は、彼を殴ったり蹴ったりするのが普通だったんだ。
彼がいくら「やめて」と言っても、僕らは止めなかった。
彼を虐める事が、当時の僕らのストレス発散法だったから。

そんなある日、取り返しのつかない事件が起きた。
その日も、僕達は彼の周りを取り囲み、突き飛ばしあって「遊んでいた」。
でも、それをやっていた場所は、階段の踊り場。 それがまずかった。
僕がどついた際、田野君はふらついて階段の方に行き、そこで足を踏み外した。
…彼はそのまま下へと落ちていき、身体を強く打ちつけて動かなくなってしまった。

翌日から、彼は学校に姿を見せなくなった。
先生が言うには、身体が急に動かせなくなったので、リハビリする事になったのだと。
これを聞いた時、僕らに思い浮かんだのは、前日のあの時。

そう、彼は僕が突き飛ばした際に高い所から転げ落ち、身体を打ったせいで、彼は下半身不随になったんだ。 これは、後で周りから聞いた事だったけど
この時、僕は初めて、自分がやって来た事の重大性に気付いた。
取り返しのつかぬ事を、やってしまったのだと。
***

語り終えると、四谷は絞り出すように言った。
「これは、いくら謝っても、決して償えない。 …一生ものの重い障害を、彼に作らせたのだから」



<襲撃された四谷>
四谷による過ちの告白を聞き、辺りは重苦しい雰囲気に包まれていく。
しかし、その静寂は、部屋の窓ガラスが壊れる音によって破られた。

驚いてその方向を見ると、巨大で黒い何かの一部が現れ、素早く四谷を抱え込んでいるのが見える。
それが何者かは分からないが、見ているだけで体が竦むような感覚、本能的な恐怖感を覚えるだろう。
何者かは手足をばたつかせてもがく四谷と共に、割れた窓から部屋を出て行った。
・この様子を目撃していた探索者は1/1d6SANチェック。

その後、探索者は四谷が居た場所に紙切れがある事に気付く。(※ニャルラトホテプからのヒント)
***
もう気付いているだろうけれど、この家の主は、かの失踪事件の犯人だよ。
家主は、5人の人物を標的としていて、うち4人への復讐は成し遂げられた…つまり、残された対象は、君達の知人ただ一人と言う事さ。

彼は今、温室の床の隠し扉から続く地下の部屋で、僕の手下からの拷問を受けているだろうね。
残念ながら、家主の彼への私怨が強すぎて、僕にはそれを止める事が出来ないな。
強いて止める方法があるとしたら、それは「黒い過去を、全て白く塗り潰す」位かなあ。
と言っても都合よくその過去だけ消す事は、人間達の力量じゃあ無理だよね?
だから、特定の記憶を喪失させられる薬を作ったよ。 この家のどこかにある筈さ。
知り合いを僕の手下に殺されたくないなら、その前に精々頑張って見つけることだね。

僕の正体?さあね。 矮小な人間には、知らない事の方が余りにも多いと言っておくよ…
***


記憶喪失薬は、温室のチグリジアの花の下にある。(※「スプレー缶」がそれに該当する)
缶を良く見ると、外装は一見白いが、それは塗装によるものであり、それが剥がれている所は本来の黒い色を呈している事が分かる。
試しにスプレーの中身を出した場合、自分が今までに感じたことのない臭いがすることが分かる。
多少吸い込んでしまった場合、POW×5に失敗した場合、自分が今までに有していた記憶の一部(一定時期に関するものを、よかったことも悪かったことも含め全般的)が急に思い出せなくなり、これはシナリオが終わっても永久的に続く。

・《アイデア》→「黒を白く塗りつぶす」事が「全てをまっ更にする」事に繋がると気付く。
        (※「全てをまっ更にする」→記憶を全て失わせる形で助けると言う意味。)

地下室に再度入って床全体に《目星》を振ると、その一角に隠し扉を発見する。
もし失敗しても、続けて《幸運》を振れば、足元にその扉があることにしてもよいだろう。

隠し扉には鍵が付いているが、探索で見つけた鍵を使う(持っていない場合には《鍵開け》に成功する)事で、地下室に行けるようになる。

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